当研究室では、脊椎動物の環境適応能力とその進化について調べています。
特に、原始的な特徴を多く残すとされる円口類のヌタウナギに着目し、遺伝子~個体レベルでの研究を進めています。
※このサイト内のイラストの一部は、イラストACおよびシルエットACから取得されました。
2024.09.18 国際学会で発表しました。
アメリカのボルチモアで開催された 10th international synposium on fish endocrinology の State-of-the-Art Presentation として、Osmoregulatory mechanisms in the inshore hagfish, Eptatretus burgeri: Is it “ancestral”? と題した講演を行いました。
2024.08.01 ヌタウナギの体液調節能力に関する論文を発表しました(オープンアクセス論文なので、どなたでもご覧いただけます)。
Yamaguchi Y, Ikeba K, Yoshida MA, Takagi W. (2024) Molecular basis of the unique osmoregulatory strategy in the inshore hagfish, Eptatretus burgeri. Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 327:R208-R233. doi: 10.1152/ajpregu.00166.2023.
・体液調節に必要な分子群はヌタウナギにもありました。
・しかし、↑のうち一部は機能OFFされていました。
・このことからヌタウナギは「もともとは体液調節能力をもっていたが、二次的に無くした」と考えられます。
・ヌタウナギは決して「原始的」ではなく、「原始的に見えるだけ」なのです。
2023.05.01 ヌタウナギの後葉ホルモン系に関する論文を発表しました(オープンアクセス論文なので、どなたでもご覧いただけます)。
Yamaguchi Y, Takagi W, Kaiya H, Konno N, Yoshida MA, Kuraku S, Hyodo S. (2023) Phylogenetic and functional properties of hagfish neurohypophysial hormone receptors distinct from their jawed vertebrate counterparts. Gen Comp Endocrinol. 336:114257. doi: 10.1016/j.ygcen.2023.114257.
・脳の下垂体後葉から分泌されるホルモン(バソトシン)の受容体を同定しました。
・他の脊椎動物との比較により、バソトシン受容体の進化について新たな仮説を提唱しました。
・脊椎動物のホルモン系の分子&機能進化は、従来考えられていたよりも複雑&フレキシブルであるようです。